この記事の概要
この記事を読むと、メダロット9の機体のパーツステータスがメダロットSでどのように変わったのがわかります。 本記事は連載の2回目で、比較するのが難しい数値ステータスについてまとめています。
なお9/22段階でミリヴァイアサンが追加されていますが、本稿には含めていません。
この記事を書くに至った背景
前回同様のため省略。
ステータス変化概論
統計的情報
数値ステータスの変化については、メダロットSにも登場する機体の50%にあたる110体に変化がありました。
9登場機体: 300体
Sにも登場: 229体
変化あり: 110体
2. 数値ステータスの変化
2-1. 相関の強いステータス
(1) 装甲
こちらの図は、横軸:メダロット9での装甲値 x 縦軸:メダロットSでの装甲値をプロットしたもので、打点の色によって部位が分かれています。 今回のように「おおよそ斜めの線に沿う細い一直線の傾向がある」ものを相関の強いステータスとして紹介します。 装甲は相関の強いステータスに含まれます。 これから列挙しますが、装甲および頭腕部パーツのステータスはメダロット9との相関が高く、ステータスが流用されているといえそうです。
水色の補助線は左上の式(y = 10.0x + 1600(±525))を現したもので、メダロット9→メダロットS間の変換式とするものです*。 つまりメダロット9での装甲を10倍して1600足せばメダロットSでの装甲になることを示しています。 式末尾の±525は2σで求めていて「だいたいの点はこの範囲に入っており誤差と扱う」ことにします。 つまりこれの外にあるものを変化と定義します。
* この式の傾きはフィーリングで決まっています。 ただ縛りとして傾きは小数点第1位までで表現できるようになっています(12.5xが登場する式がありますが、正確に"12.5"です)。 ただそれ以外の要素は数値計算で求めています。 たとえば切片は、σを求める際の平均値がおよそゼロになるような値にしています。
こちらの表は、変化のあったもの一覧です。 メダロットSでの初期ランク順→メダロット9での番号順(形式番号順)と並んでいます。
たとえばフラッフィヘアの頭部装甲は、変換式から求めた3650ほどあっても良いところですが、実際には3049しかなく、差が-601となりなす。 これが閾値2σの525を超えているので変化(負変化は青)と認められます。
この順序としたのは、メダロットSでの初期ランクが強化・弱化にかかわっていそうであるためです。 ★1・2にあたる機体はおおよそ弱化(青)であり、★3にあたる機体は強化(赤)ばかりです。
特筆点としては、1000を超えるマイナスが出ているパーツがいくらかある点で、サイドムーブは相当弱体化されています。 一方ブロッソメイルは両腕部装甲がおよそ1000ずつ増えていて強化が著しいです。 機体レベルで見るとスペナグメノーグもかなり強化されています。
(2) 成功
同様に成功値を見てみます。 装甲よりも相関が高いことがわかります。
ランクが高いと強化されるといった傾向は変わらず。 ★3で弱化されているものは、技自体が変化しクロスセットにされた事例や、おそらく右腕を強化したかったために左腕にマイナスが乗ってしまったウォーバニット、スミロドナッドなどです。
(3) 充填
充填と冷却は一緒に描いても良かったのですが、打点色のパターンが混雑するので分けました。 見た目上分けているだけで、変換式は一緒のものを使っています。
★3でも、技変化のあったハイカラメイツ頭部やKBT/KWG変形機、威力強化の著しいウォーバニット右腕などで充填の弱化が見られますが、おおむね強化されている傾向は引き続きです。 カンタロスは充填強化の特徴がよく表れています。
(4) 冷却
おおむね充填と同じ傾向です。
2-2. 相関の弱いステータス
(1) 威力
ここからは相関が弱かったステータスです。 威力は、一見強い相関がありそうですが、下方にもう一傾向あるため±577と大きい値を取っています。 この数値が大きいため相関が弱いです。 威力については、次に示す別アプローチを取ります。
(2) 威力(アンチ・重力・デストロイ除く)
下方の傾向に乗っているものとしてアンチ属性・重力属性・デストロイのものが多かったのでそれらを除きました(リストは後述)。 相関が強くなりました。
こちらでは★3であるにもかかわらず弱化している機体がいくらか見られます。 ゴーベンケーの弱化は(9)ぎゃっきょう→(S)ヘヴィアーム変化の影響でしょうか。 またブラックメイルXの頭部威力の強化は目を見張ります。 全体的に、その機体のウリになるパーツの威力強化がいくらかあるように見えます。
※びーすとだすたーの頭部やゴーベーンケーの頭部などは、重力属性やデストロイなので比較対象外になっています。 次の図でご確認ください。
そして、こちらはアンチ、重力、デストロイ所有メダロットだけの表です。 青が目立ちます。 ただ、この条件だからといって必ずしも青点灯するほどの弱化ではないです。
結果的に、これらを除くことで相関が強くなるものの、重力属性(プレス、ブレイク、ブレイクハンマー)やデストロイの弱化は納得感がありません。 アンチ属性のものは9ではソードやミサイルなどの別技になっているので、変化していても不思議ではないのですが。
(3) 格闘・射撃(格耐・射耐)
格闘・射撃(格耐・射耐)は傾向が弱かったです。 メダロット9では攻撃力にもこの数値が加味された一方、メダロットSでは防御時のみ参照するという変化も、その傾向の弱さを呼んでいそうです。 このステータスでのみ、3σ以上の差を変化とみなします。
格闘(格耐)は、ほかの傾向とあまり変わりません。
射撃(射耐)では★1や★2でも増加しているように見えますが、戦車タイプなので硬くしようという意図が入っているだけではと思っています。
(4) 機動(回避)
機動(回避)も相関が弱かったです。 (9)回避率以外にがむしゃらの威力にも加味された機動値と、(S)戦車では0固定の回避値とで、性格の異なる数値であるといったことも影響しています。
強化・弱化ランキング
最後に、強化・弱化ランキングを作りました。 今回の結果、および前回記事のHv・回数について変化をそれぞれ強化・弱化と判断し、そのptの多寡でランク付けします。 スキル変更や技変更、脚部特性変更などは含まれない点に注意です。
また、威力はアンチ・重力・デストロイを含んで強化・弱化を判断している、回数は1増1pt換算なのでご注意ください。
強化ランキング
2pt以上の強化に対しランキングを出しました。 ★3機体しかいません。 スペナグメノーグは10pt強化で圧倒的一位です。
10pt: スペナグメノーグ
6pt: ゴッドエンペラー
5pt: ランドモーター、カオスフィクサー、マーサイモラン、ビーストマスター
4pt: リトルレイシー、ブロッソメイル、エイシイスト、ファーストエース
3pt: ハードネステン、ブラックメイルX、グリード、カンタロス、セントナース
2pt: バッドハッカー、ガルトマーン、ウィンドクラップ、モンジロー、ブライトネス、ニンニンジャ、スィーカマー、パパラチア、スミロドナッド、マカイロドウス、ノエル
弱化ランキング
-2pt以下の弱化に対しランキングを出しました。 ソニックスタッグやドークスも含まれていますが、アンチ属性技をマイナス評価されただけです。 グランビートルも、クロス攻撃に変わったことがマイナス評価されているだけです。 スキルを奪われたキメンガーやハイカラメイツも入っています。
-7pt: アントルジャー
-6pt: ソニックスタッグ
-5pt: サイドムーブ、ヒポポジャマース、ドークス
-4pt: ゴーフバレット、びーすとだすたー、グランビートル、イエロータートル
-3pt: ニオーカイコー、ベティベア、チベヒーモス、カネハチまーく2、シャーフー、ドラゴンビートル、セイテイキング、ギガファント、セキゾー、スチールストーク、キメンガー、スピードアラート、シサク1ゴウ
-2pt: ノワールカッツェ、アレクベア、バロンキャッスル、スティドリアード、フラッパクンフー、ボトムフラッシュ、ワイルドウコーン、ヒポポテンシア、フライファルコン、ハイカラメイツ、ゾーリン、ポイズンスコピー、フロートスピナー、バスターティラノ
ランキング外も変化大の機体
最後に、総ptでは-1~1ptと平凡ながらも増減両方あった機体もピックアップします。
1pt: アンビギュアス、シックルカッター
0pt: ドクタースタディ、キングファラオ、サイカチス、マケット、ライノラッシュ、フレイムティサラ、グロザムティーガ、ガンキング、デスプロビデンス
-1pt: ウォーバニット、ウォーヘッドリィ
まとめ
メダロットSにも登場するメダロット9の機体のうち数値ステータスの変化をまとめ、前回記事と合わせた変化ランキングを作成しました。
総じて、メダロットSでの初期ランク★3である機体は強化されていることが多く、★1・2はおおよそ弱化されているようです。 メダロット9の対戦環境に入っていく際、メダロットSでのイメージで甘く見てかかると痛い目を見そうです。