ロボトル競技要素の違い
- この記事の概要
- この記事を書くに至った背景
- 「競技要素」とは
- ロボトル競技要素の違いの考察
- ただしく競技要素の違いを扱う
- メダロットSの競技要素を活かす提言
- 炎上事例に学ぶ過去作品の上書き問題
- 次のコンシューマ版のタイトルに望むこと
- 供養:旧記事で考えていた競技要素たち
- 供養:メダロットSの各ロボトルルールの競技要素
- 供養:メダロットDSの競技要素
- まとめ
この記事の概要
この記事は、前回記事(競技性のあるロボトルとは(+提言))の旧版(非公開)を再構成したものです。 旧版がごった煮状態だったので、本記事の構成も散らかっています。 約13,000文字ですので読むには30分くらいかかります。
まず本記事では、競技性の高低ではなく、競技要素(定義は後述)の違いを扱います。 たびたび競技性と競技要素が出てきますが、明確に区別しているので注意して読んでくださると幸いです。 競技性は高い/低いの1軸で比較可能ですが、競技要素は同じ軸では比較できません。
また、前回紹介した提言はメダロット9化(知識・読みを競わせる)の色が濃かったですが、今回はメダロットSの競技要素(適時性・即応性を競わせる)を活かすための提言改廃にチャレンジしています。 これはさいむぉんさんが試みたこと(メダロットSの競技性)に近いです。
そして、違うはずの競技要素を同一ブランドでリリースできてしまう問題に触れたいです。 メダロットチームはあまりブランド戦略が得意ではないので、違うものであるにもかかわらず同じブランドにします。 そうすると、それが好きな過去作ファンとしては後続の芽が絶たれたようで不満が出ます。 またコミュニティの不和にも波及します。 先に挙げたよう競技要素そのものは比較できませんが、好き/嫌いの軸で比較することは一応可能です。 それをふりかざして他方を悪く言うのが良くないのはお分かりかと思います。 ブランド戦略を正しく練ることで回避されたい問題です。 ブランド戦略の失敗事例、教訓として真型メダロットを上げます。
最後に、供養として旧記事の転記を付けました。該当箇所は前回記事と異なることを書いている部分があり、つど追加説明を入れています。
この記事を書くに至った背景
顛末は下の表を見たほうがはやいかもしれません。 前回記事(No.2: 競技性のあるロボトルとは(+提言))の直前に投稿されたさいむぉんさんの記事(No.1: メダリーガー向けフラットマッチ入門書②)、および前回記事(No.2)にさいむぉんさんが反応くださったこと(No.3: メダロットSの競技性)をきっかけに、旧版の価値に気づいて始まったものです。
初めからこの要素を前回記事に含ておけばよかったと言えばその通りですが、主旨が微妙に異なるので、そして構成が散らかっているので、結果的にこの区切りでよかったようにも思います。
「競技要素」とは
これは造語です。 その対戦ゲームで一体何の技能を競っているのかを指す言葉で、前回記事のプレイヤの技能で説明された各技能のことです。 パズルゲームならパズルを解く能力ですし、格闘ゲームならコマンド入力の正確さ・適時性・反射神経など、あと対戦ゲームではないですが、リングフィットアドベンチャーなら体力が競技要素になるでしょう。 当然、これらは同じ軸に置いて良し悪しを比較できるようなものではありません。
メダロットのゲーム作品でも、コマンドバトルのナンバリングシリーズで競っている技能と、アクションゲームの派生シリーズ(メダロットG・BRAVE・DUAL・ガールズミッション)で、競っている技能が違うことは分かっていただけると思います。
メダロット9もメダロットSもコマンドバトルですが、どうやらそれらの競技要素は違うようだという点に触れたいです。
メダロット9の競技要素
メダロット9の競技要素は知識・読みだと思います。 これは常々、青色らとさんの配信などを見て感じているものです。
メダロットSの競技要素
メダロットSについては、さいむぉんさんのメダリーガー向けフラットマッチ入門書②にあるよう、使う攻撃パーツのダメージ平均値計算といった準備*と、後隙を叩く適時性**、時間内に最適な行動を判断・選択する即応性***などが競技要素になるでしょう。
なお、私は先の記事を読むまでメダロットSの競技要素を明確にできていませんでした。 またメダロットS運営チームもいまだ明確にわかって作っていないのではないかと思っています。
* 準備も技能に含まれます(「競技性とは」@競技性のあるロボトルとは(+提言)を参照)。
** 効果的なタイミングで攻撃(後隙に攻撃、ブロウアウェイやチャージスパークなどでの調整含む)や支援(無駄打ちのないぼうがいクリアなど)、チャージを入れられる技術のことを適時性と呼ぶことにします。
*** 与えられた行動選択時間内に必要な情報を読み取り(認知)、適当な判断(判断)し、適当な命令を出せる(操作)技術のことを即応性と呼ぶことにします。 認知判断操作サイクルなので、メダロットに一定の自由(狙うパーツなど)を与えつついかにうまく扱えるか(ランダム性をコントロールする)という技能といってもいいでしょう。 メダロット9にはディフェンスパーツセレクトなどあり、プレイヤ自らがメダロットとしてどう動くといいかを考え行動する(極力ランダム性を無くす)ゲームになっていると思います。
ロボトル競技要素の違いの考察
こちらは多少恣意的な表現があるかもしれませんし、あまり意味もないのですが*、それぞれの推せるポイント・推せないポイントを考えてみます。
* いかなる競技要素であってもゲームが面白ければいいのです。 ただし原理を壊さないという条件は付けたいです。 たとえばロボトルにメダロッターが武力介入できるようにするといったものは、仮に面白くなるとしてもロボトルの原理や世界観を壊すので受け入れがたいものです。 たしかMedabots worldでは、はじめそのようなゲームになると説明されていたような気がします。
メダロット9の特徴として、メダリアによってほぼすべてのパーツを活かすことができるという戦術の多さを特筆したいです。 シリーズ中で最も「無限大の組み合わせ」を実現できているだろうと思っています。 これは、あなたのお気に入りの機体どれでもロボトル対人戦で活躍させられる*と言い換えると伝わりやすいかなと思います。 またステータスが隠されていることから、知識や読みを競わせているのがポイントです。
* 各メダロットが“輝ける場所“を作れていたように思います。 「うのへえさんの想いが汲まれている」と書くのは、さすがにこじつけすぎでしょうか。 : その人の人生にとって“輝く場所”を作りたい――現在「メダロット」チームを束ねるうのへえ氏に「メダロット」シリーズのこれまでを聞く
一方で問題なのは、その戦術の多さからくる習得の難しさと不明確さです。 不明確さについていえば、公式情報や書籍としてきちんと整理・周知しておくことが必要でした。 たとえばダメージ計算式や細かなマイナー仕様が明らかにされていないことから巧みな調整がしずらかったり、仕様誤解によるプレイングミスを発生しかねないです。 たとえばコンボの充填・冷却は、使うパーツの充填だけで決まる(冷却は関係ない)ようですが、計算式は不明確です。 CFやドローンのトリガ条件、攻撃順序も不明確で困ります。 このあたりはベテランプレイヤもお困りのようで、コミュニティで都度検証されています。 メダロット9 最強ロボトル事典のような書籍が出ていればと悔やまれます。
メダロットSは、プレイングの究み(適時性と即応性、行動の読みも含む)を楽しめるようになっているのがポイントですね。 誤解を恐れず言えば、格闘ゲームやスマッシュブラザーズのような競技要素に近いようにも思いますし、パズルを解く感覚にも近いのかなと思っています。 また相手のステータスがつまびらかなので、パーツ固有の知識や相手CG値の読みは要らず、強化部位も分かるので戦術が読みやすいように思います。 それら手の内を知ったうえでどう振る舞うかを競う競技です。
一方メダロットSは、パーツプール(1,000個超)が広いようでいて、対戦環境に持ち込まれる有効なパーツは少なく感じます。 たとえば脚部充冷が低いパーツはほとんど見らませんし、今後インフレを続けるとなお増えていくでしょう。 またデメリットのないチャージを戦術利用するために、ゴースト・レーザー・イリュージョン・プーパのようなCGとのシナジーのある攻撃パーツ・脚部特性が優先される傾向を感じます。 ただ、パーツが絞られることでダメージ期待値の精度・価値が上がる効果もあるので、悪さというよりも特徴かと思います。 こういったインフレや代謝の早さは、ガチャエコシステムとは親和性がいいですが、ゲームメダロットが掲げる「無限大の組み合わせ」には逆行します*。
* そういった不合理性は様々なところにあります。 デストルグレアのティンペットはいったいどうなっているのかなどもそうです。 ただゲームとして面白かったり、デザインとしてカッコよければ大した問題でもないのかなというのが私見です。 先に挙げた原理問題との差はきわどいところですが。
前回記事で比較に用いたメダロット9とSについて、いろいろ考えてみました。 読者の皆さんもやってみるといいと思います。 ただ結局は、原理を崩すレベルの問題がないうえで、ゲームが面白ければどれでもいいのでは思っています*。
* さらに言えば、たとえ面白くなくても旧い友達と文句を言いながらメダロットをプレイできるだけでも私は良かったりします。
\🐍デストルグレア登場∞/
— 【公式】メダロットS (@medarot_S) 2022年7月26日
ロボロボ団による #今度こそ世界征服できる最強メダロットを作ってみた 計画から生まれたメダロット!
皆のアイディアをもとに生まれたウロボロス型「デストルグレア」が、7/28よりPUガチャに登場💥#メダロットS pic.twitter.com/ehIfUeUzFe
ただしく競技要素の違いを扱う
私は、プレイヤの多さ、話題の高さを買ってメダロットSとその競技要素を推しておきたいものの、競技性を破壊しかねない運要素(=理不尽なヘドショ)をどうしても許せません。 またメダロットSはスマホゲームであり、ガチャを廻して、課金アイテムを買ってもらってサービスが継続するものです。 なのでスペックがインフレする事情も理解はします。 しかし戦術的に有効なパーツが集中し、不可逆的なインフレを生み、結果として使われないパーツが増えていってしまうことはうれしくありません。 毎月のように新しいギミックが増えることは歓迎しますが、レア度や新鮮さでメダロット間に優劣をつけられているようで、それも好みません。
いずれにせよ、メダロットSの競技要素が悪いものだとされてしまうのは残念です。 正確には、メダロット9と競技要素が違ったうえで競技性が低いだけです。 競技性の低さは指摘されてしかるべきものですが、競技要素が自らの好みと違うことを悪く言う材料にするのは良くないでしょう*。
* その人の人生にとって“輝く場所”を作りたい――現在「メダロット」チームを束ねるうのへえ氏に「メダロット」シリーズのこれまでを聞くからの引用: 「この頃の『メダロット』が正解」とかは僕自身は全然決めてないです。
メダロットSの競技要素を活かす提言
さてこちらでは、さいむぉんさんに倣い、私も前回記事の提言をメダロットS(競技要素が適時性や即応性であるとした場合)向けに再検討してみます。
- 頭部で受ける仕様を直す
- こちらの問題は競技性を欠く(機械的ランダム性(運)で勝敗が付いてしまう)ものなので、競技要素の種類に関係なく正されたいものです。 そして最優先に直すべき問題です。
- 相手ステータスを見れなくする
- これはSでは活きない可能性があります。 知識・読みを競う場合は貢献しますが、さいむぉんさんがおっしゃるよう、確かな情報があってはじめて適時性や即応性を問えるのでおそらく逆効果でしょう。
- 頭部被ダメでリーダー判定する仕様を追加する
- 攻撃選択時に命中率を明記する
- これらは競技性向上に貢献する(ランダム要素のリスクコントロールを可能にする)ものなので、競技要素の違いに依らず支持していいかと思います。
- 脚部充冷を無効化する
- これらは競技性向上に貢献する(スペックが勝敗に関与する度合いを下げる)ものなので、競技要素の違いに依らず支持していいかと思います。
- 脚部充冷を無効化せず、その幅を狭めるだけでも良いとの指摘は同意します。 ただその値が大きく、脚部充冷で充冷速度を大きく変える調整にすることは避けたいものです。 言い換えると、強力な頭腕部パーツは強力なりに遅く、軽快なパーツはガード回数を減らしたりガードプラントを破壊したりするような使い方となるよう差別化に期待したいです。
- パーツはランク5、Lv90で均一にする
- メダロッターをLv20で均一にする
- 強化チップやパーツチューンナップは、無反映か消費系アイテム無しに自由に調整可能にする
- メダルスキルレベルも、スキルレベル均一か、消費系アイテム無しに自由に調整可能にする
- パーツ、メダル、メダロッターを所有していなくても利用可能にする
- これらは競技性向上に貢献する(人的ランダム要素(使える戦術)の公平化)ものなので、競技要素の違いに依らず支持していいかと思います。
- パーツを重複して利用可能にする
- (新)スキルレベルのパーツ性能向上度合いを鈍化させる
- 人的ランダム要素(使える戦術)が広がることに貢献します。
- 前回記事で完全に書き忘れていました。
- フラットマッチでは均一化によって解消されていますが、充冷速度(まばさん)、ダメージ(袴矢さん)の計算式によると、どちらも正比例で効果向上に寄与しています。 向上が鈍化するようにしておかないと攻撃・支援とも特化機が強くなりすぎるので、これも正されたいものです。 つまり、スキルレベル50で万能型を作った場合には、特化機(スキルレベル99)の67%の性能しか出せず、対戦環境では使えません。 67%は(50+50) / (99+50)で求めています。
- 裏付けは取れていませんが、メダロット9ではある程度のスキルレベルがあれば出せるダメージは同じになるそうです。 充冷速度はあまりよく知りません。 もしかしたら正比例かもしれません。
- (新)得意でないスキルレベルも伸ばせるようにする
- (新)脚部相性を増やす
- 人的ランダム要素(使える戦術)が広がることに貢献します。
- 同様に書き忘れていました。 脚部相性が3つしかないのも問題です。 メダチェンジができるシステムであることから、1試合に2種の脚部タイプを使う可能性がありますが、適当なメダルを選ぶ余地がない/あっても性格・MFが魅力的でない問題が起きています。 得意苦手を作るのは良いのですが、9のように5種を得意にするか、メダリアで苦手を克服できるようにするかが必要でしょう。
- 設置物を攻撃で排除できるようにする
- チャージ時間は機体によらず一定とし、チャージ中は回避不能にする
- そのほか、パーツスペック、技・脚部特性効果の見直し
- こちらは競技性向上に貢献する(スペックが勝敗に関与する度合いを下げる、機械的ランダム性(運)が勝敗に関与する度合いを下げる)ものなので、競技要素の違いに依らず支持していいかと思います。
- そのほか、メダロット9のシステム移植
炎上事例に学ぶ過去作品の上書き問題
さてこちらでは競技性・競技要素からいったん離れ、同じ言葉・概念を上書きしようとしたために起こった炎上事例を上げます。 真型メダロットです。
真型メダロットを乱暴に説明すると、初代メダロットのシナリオを持ってきて、過去キャラクターすべて、キャラクターデザインや世界観をすべて変えて「真」だと名付けた作品です。
この時は、単なるいさかいのようなものにはとどまらず炎上となり、イマジニアがプレスリリースを出すに至るまでの出来事になりました*。 タイトルの「真」がより一層悪く、今までのメダロット作品を「偽」としたいかと疑われても仕方がない名づけであり、いまだにその仕向け方は本当に嫌いです。 完全に別作にするべきでありブランド戦略の失敗です。 そして真型メダロットはシリーズを終わらせた作品だとなり、以降しばらく針のむしろ状態になりました**。 キャラクターデザインの北沢直樹さんには同情を禁じ得ません。
なおメダロットDS~9でのティンペット意匠変更は、ほるまりん先生自らされていたことですので問題にならないと思います。 長くデザイン業をされていたら、過去作品を変えたくなることもあるでしょう(とはいえSで戻されましたが)。 ただもし、全く別の方が意匠変更をやっていたら炎上したことでしょう。 真型メダロットではそのようなことをしたのです。
上で書いたように、競技要素が違うさまざまなロボトルを作ることは可能です。 ただ同じロボトルという言葉で違う競技要素の作品ができてしまうので、上書きされたほうのファンとしては不満ですし、こちらをきっかけに不要ないさかいが生まれることもあり懸念します。 アクションゲームとコマンドバトルくらい違えば、競技要素の違いは明確なのですが、メダロットSとメダロット9ではあまりに近いです。
* 真型メダロット カブト/クワガタ - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ - atwiki(アットウィキ): 当時の顛末が説明されています。 デザインが悪くなったのが原因などとの評は支持しかねます(当時は私もそう言ってしまっていたが、正確には好き嫌いで表現されるべきでした)。 真因はブランド問題だと思っています。 ぷよぷよフィーバーくらいうまくやれていたら違った評価でしたでしょうが、だとしても魔導物語のファンが置いていかれた感覚をぬぐえないでしょう。
* インターネットアーカイブに残っているイマジニアのプレスリリース: いまだにこの説明には納得がいきません。「真」と名付けて過去作を否定したと受け止められかねないブランディングをしたのですから。 引用: もちろん、『真型メダロット』は、シリーズの新しい形のご提案なのですから、従来のシリーズを否定するものではありません。
** 2009年のメダロットDSの報せには胸をなでおろしたものです。
次のコンシューマ版のタイトルに望むこと
コマンドバトルの競技要素に戻ります。 これは、およそメダロット9とメダロットSの間で変化しました。 次のナンバリングシリーズでどういう競技要素と定めるかによっては、過去作品の上書きだと受け止められかねないのではと恐れています。
あくまでいち案ですが、ブランド戦略的には、続くナンバリングシリーズでは、9に続いて知識や読みを競技要素とし、メダロットSの後継を作る場合は別ブランドにしていくのがいいように思います*。 あるいは逆に、初代~DSとSまでのシャトルラン形式をナンバリングとし、7~9の知恵や読みを競うものを別にするのでもいいかもしれません。 別ブランドと言っても「真」や「新」、「改」、「究極」といった言葉をつけることはないように。
いずれにせよ、Sの後継には現在のSのようなたくさんのパーツセットを与えても持て余すように思うので、アクションゲームシリーズ程度でいいように思います。
* メダロットチーム・運営チームのブランド戦略が良くないのは当初からです。 残念ながら、今後もうまくやれるとは思いません。 直近でも、魔女の城フォーマットのままエルドラード冒険譚をしたこともありますし(【メダロットS】エルドラード冒険譚の攻略難化考察と提言)、好きな機体を選べないにもかかわらず「★3選べるガチャスーパーDXチケット」としているところからも垣間見えます(消費者に誤解を与えていますし、将来本当に選べるような有償チケットを作った場合にどう名付けるつもりなのでしょう)。 一方、すごくうまいブランド分けとして、聖剣伝説はファイナルファンタジーの外伝として始まったあと路線を確立した作品ですし、真・女神転生からはデビルチルドレンやペルソナが派生しました。 ロックマンもブランド分けがきちんとなされていて好例です。
供養:旧記事で考えていた競技要素たち
以降は、旧記事で考えていた記述で、まだ紹介する価値がありそうなものを紹介します。 とくに新しいことは書いていないので読み飛ばしで構いません。
旧記事で考えていた競技要素を紹介します。 本来プレイヤの技能ではない①スペック、⑤運、⑥掛けた時間、⑦資金力は除かれるべきでしょうが、もともとは競技要素に入れてしまっていました。 そしてむしろ、後隙を叩く適時性は④即応性から分離独立しても良かったなと思っています。
旧記事で考えてていた競技要素
- ①スペック:装甲、威力などの数値だけでなく、貫通有無や、技の効果そのものも含む言葉とします
- ②知識:ルール理解度と、そのルールを活かした構成を組み上げられる能力
- ③読み:相手の行動・リーダー・メダリアを推理する力
- ④即応性:制限時間内に相手構成を確認し、適切な自行動を決定できる力
- ⑤運:攻撃結果の良し悪し、ヒット部位、貫通先の良し悪し
- ⑥掛けた時間:①スペックに関連し、メダル熟練度(メダルレベル)やパーツレベルを上げるための時間であり、②知識に関連してルール学習のために必要な要素です。
- ⑦資金力:①スペックに関連しますが、ルビー消費ガチャで狙いの機体を得るために利用します。 パーツチューンナップ機能において⑥掛けた時間を節約するのためにも利用されます。
参考: メダロットS勉強会#2で説明された、強くなるための三要素
参考までに、メダロットS勉強会#2で紹介された三要素はご覧の通りです。 こちらの配信は、競技要素を定義し、メダロットの作品毎に比較してみるのが面白いのではと考え始めるきっかけでもありました。
続く勉強会#3では技間のじゃんけん関係を、#4では適時性や即応性を学べるといいですね。
- (a)数値:攻撃力、速さ、レベル、装甲が高い、など
- (b)知識・経験:戦略が分かる、メダルの相性を把握している、など
- (c)ひらめき・センス:リーダーを当てる推理力、など
供養:メダロットSの各ロボトルルールの競技要素
こちらでは、上記の①~⑦を用いて、メダロットSの各ルールでは何を競っているのかを示そうとしていました。 競技性を高くする要素に含まれないもの(⑥掛けた時間など)や、低くしてしまうもの(⑤運、①スペックが勝敗を支配している状態)も入っている点に注意です。 競技性が高い状態は、⑤運や①スペックが小さく、②知識・③読み・④即応性(・適時性)が大きいものです。
メダリーグの競技要素
⑥掛けた時間 >> (①スペック 、②知識) > ⑤運
(純正リーグの場合)⑥掛けた時間 >> (⑤運 、②知識) > ①スペック
⑥掛けた時間は、上位の報酬を目指す場合に必須になります。 次点①スペックは、フラッシュサクリファイスコンボやトルネードアンチエアコンボ、リバースコンシール戦法といったパーツ技、脚部特性、脚部充冷にモノを言わせた戦術が多いことから付けました。 ②知識は、相手のターゲット選択がメダル性格によって決まることから、ターゲット管理ができるかどうかという意味で付けました。 また相手リーダーを③読む代わりにターゲット管理を利用して推定することも可能です(狙われにくい調整がされている機体がリーダー)。 ⑤運は、メダロットSだと避けられないヘドショ被弾を指します。 また貫通先が頭部になってしまうこともこれに当たりますし、フラッシュやトルネードがヒットするかどうかといったことも含まれます。
なお、純正リーグでは優秀な①スペックのパーツを盛り込みづらいので、いくらか下位に落ちるかと思います。 また相手との相性問題にもなってくるので引きの良さ(⑤運)の順位を上げました。 ただ不思議と、純正リーグのほうが創意工夫性があって楽しいなと思います。 欲しい機体が当たらないストレスはありますが(ガチャの辛さと向き合う)。
レベルクラスマッチの競技性
①スペック > (④即応性 、③読み) > ⑤運
メダリーグと違いプレイヤ自らが攻撃先を決めるため、より一層①スペックの支配率が高くなります。 これは、フラットマッチと比べてスキル特化機が強いことも含みます。 オンラインエキシビジョンでは時間内に順当な行動選択をせねばならないので④即応性も非常に重要です。 次点に相手リーダーや相手行動を③読む力が必要になるでしょう。 そしてやっぱりたまにリーダーヘドショなどの⑤運で試合が決まります。
また、メダロットSでは相手ステータスはつまびらかにされるため、相手パーツ名から特徴を引き出す②知識は求められません。 なのでここではランクから落ちます。
フラットマッチの競技性
(④即応性(適時性も書くべきでした) 、③読み) > ⑤運 > ①スペック
フラットマッチでは、メダルスキルレベルが均一であるため決定打が出にくい傾向があります。 そのためプレイヤがゲームに介在する要素(のちにプレイヤの技能と言い換えたもの)、すなわち④即応性(適時性も書くべきでした)や③読みの割合が増えます。
また少し恣意的ですが①スペックの割合は低いと思っています。 当該ルールではパーツもメダルもレベルが均一に調整されています。 言い換えると、それらは所有さえしていれば誰も同じ①スペックでもって利用可能であるためです(メダロッターや強化チップでの調整余地はあります)。 なので、①スペックが競技性に占める割合は、ほかのルールと比較して低いです。
対戦環境で強いとされている構成は、トルネードアンチエアやイリュージョン一斉射撃&カラタケワリといったものです。 トルネードアンチエアはその①スペックに頼っている部分もあるのですが、持っていればいつでも強いかというとそうではなく、相手のぼうがいクリアを縫っていかにヒットさせるかといったプレイングの巧みさを問う要素(④即応性(適時性も書くべきでした)と③読み)が支配的です。 そしてトルネードがヒットするかどうかや、相手からヘッドショットをもらわない⑤運も大事です。 ただ、イリュージョン構成は比較的①スペック頼りを否めないです。 プレイングの巧みさで逆転可能な要素が少ないです。
供養:メダロットDSの競技要素
よく覚えているDSを基に話します。 また競技性を知るために便利な動画(クソメダ列伝~メダロットDS編~)があり、理解の助けになりますのでぜひともご覧ください。
①スペック >> ⑤運 > (③読み、④即応性)
メダロットDSでは、頭部を狙うスナイパー性格のメダル、自壊しない貫通アサッシン、現仕様の2倍威力の出るサクリファイス、デストロイを避けるかんぜんガード、CG-MAXメダリアなどのため、①スペックの支配率が著しく高いです。 ⑤運も支配率が高く、高威力パーツ、防御妨害攻撃(ダブルシール(=Sでのデスロック)など)の狙う先として相手リーダーを早く引けたほうが戦況を有利にします。 リーダー機は中央だと決まっているため、③読むべきは相手行動とメダリアのみです。
まとめ
この記事では、メダロット9とメダロットS間の競技要素の違いを扱いました。 また前回記事の提言を、メダロットSを活かす形にする場合にも触れました。
そして似た作品での競技要素の違いは区別して理解したいです。 またこれにかかわる問題として真型メダロットの炎上事例をおさらいしました。 ブランド戦略がいまいちなことは今後も続くでしょうが、誤った否定をしないよう気を付けたいものです。
やはり、いち記事にまとめるのは至難でした。 直近の3記事をもって、長く考えていた記事の大半をリリースできました。
長々と続けたこれら一連の記事は、あくまで対戦要素の話であって世界観やキャラクターデザイン、シナリオといったほかの要素の話をしていないことには注意です。 これらはおよそ同程度に語られ、尊重されるべき要素でしょう*。 途中に書いた通り、対戦要素が不十分でもいい作品はいくらでもあります。 ただ、9の後継が望まれていることもあり長く遊んでくれるプレイヤを作るためには競技性の高いものが欲しいですし、それをビジネス化するような方針・戦略も見せていってほしいと思います。
* 私見ですが、世界観やロボットデザイン、シナリオを重視して後継作を作ることに賛成です。 しかし対戦=競技性のことも考えて作ってほしいものです。
さて次回からは、ついに攻撃結果割合の検証にチャレンジしようと思います。 パーツチューンナップ機能にエナジーを消費したい*ため、オンラインエキシビジョンでどうにかデータを集めていく予定です。
* パーツチューンナップ目的ではなく、ダストルビー目的です。 それなら400ptで済み、50個のダストルビーになります。 400ptならオンラインエキシビジョンのミッションまで周らずに済みます。