メダリーグは、対戦コンテンツを辞めちゃったんですか?
- この記事の概要
- 新リーグ#1おさらい
- 新リーグはどうあるべきか
- 非対戦コンテンツをより良くするための施策
- 対戦コンテンツをより良くするための施策
- まとめ
- (付録)何故、対戦環境の質にこだわるのか
- (付録)新リーグシステムへの理解を深める
- (付録)そのランダム要素に対戦相手の作為はあるか
この記事の概要
この記事は、メダロットS ver.3.2.0での新メダリーグの簡単なおさらいと、それにかかわる提言をまとめています。
あと一応、依然メダロットSを応援している姿勢を明記しておきます。 エンターテイメントとしては、毎週魅力的な新機体が出てくるなどあり称賛を惜しみません。 しかし対戦ゲームとしては、看過できない状況にあるなと思うので直されるべきとの姿勢です。(さもなくば終わってもらったほうが…)
読者の皆々様も、エンターテイメントとして「良い」と感じているか、対戦ゲームとして「良い」と感じているかは、ぜひ区別していただきたいです。 エンターテイメント作品として応援しているからこそ、対戦ゲーム作品としての問題を指摘したくなるのです。
多分今後、似たテーマの時にこのコピペを貼ります。
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— 【公式】メダロットS (@medarot_S) 2023年2月2日
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新リーグ#1おさらい
細かな説明や顛末は、すでに新メダリーグ雑感 - Hkousunの垂れ流し(佐藤 功さん)やTwitter上で様々な方が発言されているのでそちらに譲ります。
端的に言うと下記のようなおさらいになるかと思います。
- 対戦相手を選べるようになったため、以前よりカジュアルになった
- 勝率レースの勝者(つまり全勝)であっても上位ランクへ昇格できるわけではない
- 上位ランクへの要件としてハイスコアが求められている
- ハイスコアレースはシビアである
- ハイスコアレースはロボトル競技から離れている
後にも触れますが、見方の違いで「カジュアルになって居心地が良い」と思う層と「シビアになって居心地が悪い」と思う層が分かれています。 もちろん、目前のロボトルに勝つことが勝利とした場合は前者で、高位報酬を得ることが勝利とした場合には後者です。
うち後者については、旧リーグが「時間かけたもの勝ち」となっていたことに大差ないです。 どちらも実際に競っているのは勝率ではないのです。 旧リーグではロボトル勝利数であり、新リーグでは与ダメージ合計値(など)です。 新リーグとなって、本質(勝率)から遠くなっていますよね。
またpt付与ルールの不出来さなど、いろいろ言及すべきことはありますが、おさらいはこの程度にしておきます。 新しい稼ぎ方や妨害方法が日に日に更新されていく濃密な一週間にみえました。 また、碌に説明されていない新リーグのルールを、いかに早く正しく理解できるか競争にもなっていましたね。
新リーグのルールがイマイチ伝わっていない(チャンピオンなるためのptは通算か否かなど数点)のは、
— lux (@medarotter_lux) 2023年2月5日
やはり3周年記念日に無理矢理やったメダロットニュースが不出来だからですよ#メダロットS
新リーグはどうあるべきか
上記ブログ記事内の「いつぞやの配信」に基づく話ですが、視聴者に対し新メダリーグが面白いかどうかを尋ねる場面がありました。 結果は、面白い:面白くない = 50:49(およそ1:1)といった比率でした。 きれいに分かれていて驚きました。 察するに、先に申した何を勝利ととらえるかの見方の違いによって割れたのかと感じています。 カジュアルになったととらえて面白いと思った層と、シビアでありロボトルでない競技になったととらえて面白くないと思った層です。
ここではさらにそれぞれを「『新リーグが非対戦コンテンツとなった』と見るか、依然『新リーグは対戦コンテンツであり続ける』と見るか」と言い換えたいです。
対戦とは
こう言い換えるにあたっては対戦とは何かを明確にする必要があります。 正確には他のプレイヤとの対戦なのですが、これはあらかじめゲーム内に準備されている相手との対戦ではありません。 以前の記事では「旧メダリーグは、他のプレイヤのゴーストデータとの対戦であるのだから他のプレイヤとの対戦である」と申しています。 ただ、今一度これをきちんと見極めたいです。
新リーグにおいては、対戦相手が選べて、その構成を織り込んだ対策構成に組み替えて臨むことができます。 こうなってくると「対戦相手との平等さ」が気になってきます。 言い換えると、後出しじゃんけんできる他のプレイヤとの対戦は、果たして本当に他のプレイヤとの対戦なのかが気になっています。 あらかじめゲーム内に準備されている相手との対戦と差がないと思っています。 それは、対戦プレイヤの作為(後に説明)が乗りづらい、回避できるからです。
さて、次は非対戦コンテンツとするか、対戦コンテンツとするかそれぞれのパターンに対しての施策を紹介します。 いずれのパターンにするとしても、今の新リーグは不適切であり、改修されるべきです。
非対戦コンテンツをより良くするための施策
非対戦コンテンツなのですから、他のプレイヤとの対戦要素(ここではハイスコアレースのこと)が入っていることが矛盾点になります。
具体的な施策としては、ロボトル結果をスコア付けするのを辞め、単なる勝率・勝利数を求めるコンテンツにすることが挙げられます。 超襲来!ロボトルの対戦相手がゴーストデータになっただけと思っていただければよいと思います。 報酬体系は「規定回数の勝利」に基づいて決められるべきでしょう。 言い換えると、報酬体系を絶対評価とする案です。
またこちらのコンテンツは非対戦コンテンツですから、プレイヤ側だけに優位な改善提案は入ってよいでしょう。 損をするのはあらかじめゲーム内に準備されている相手側なので、あまり背反しないはずです。
対戦コンテンツをより良くするための施策
こちらは難しかったのですが、不人気パーツにボーナス論を展開したいです。 こういったことを考えて導いた論です。
- 本来は、勝率以外に評価基準(残時間や破壊パーツ数など)を作るべきではない
- しかし対戦コンテンツとしてはそのままでは競いづらいため、何かしらで価値付けする必要がある
- 残時間や破壊パーツ数などで価値付けすると多様性の幅(作為の幅)を狭めてしまう
- メダロットSの既存の問題として、使われない不人気パーツが多数ある
こういったことを勘案すると、不人気パーツにボーナス論が出てきます。 使われない不人気パーツ(≒対戦環境に持っていきづらい弱いパーツ)を使った勝利を、普通の勝利と比較して価値付けする考え方です。
安全に強いパーツを使用して勝ち数を伸ばすでもいいですし、多少負けるリスクを負っても、性能上見劣るボーナスのあるパーツを使用して勝ち数を伸ばすでもいいでしょう。 ただあまりにもボーナスありきの環境になるのは違うかなと思うので、ボーナスや報酬の枠組みとセットでよく検討されるべきです。
「いつぞやの配信」でもこれと似た話が挙がっていたようですが「合金が多く必要になるのは嫌でしょう」といったことを言われました。 しかし、それはパーツ育成システムの問題との立場でいます。 つまり、パーツ育成システムがあるから限られた育成資源を注ぐに値するような有用なパーツしか使われない(不人気パーツは育成すらされない)という考えです。 依然、パーツ育成システムは無くされるべきとの考えでいます。
この論を上げておきながらも、不人気パーツの定義づけは言うほど簡単ではないかと思います。 たとえば、過去数ピリオド間で全勝プレイヤがつけていたパーツの登場頻度ランキング上位100位にはボーナス無し、101~200位には一個当たり+0.2勝、201位以下には一個当たり+0.4勝、といったものになるでしょうか。 しかし、これは良く考慮して設計されるべきです。 入手機会が限られるパーツは、強いパーツであるにもかかわらず登場頻度が低くなるので、不当にボーナスがついてしまう恐れがあります。
とはいえ、もしこれが機能すれば、弱いが不人気なパーツでもガチャ入手しよう、育成素材を割り振ろうという後押しになりますので、経営的にはうれしいはずです。
またこちらのコンテンツは対戦コンテンツですから、あるプレイヤ側だけに優位な改善提案は入っていかないでしょう。 損をするのは他のプレイヤ側なので、だいたい背反するはずです。
まとめ
本記事では、新リーグへの見方が相反する2通りあり、ファンの間でもおおよそ1:1に割れていることを指摘しました。 そして各方向性に対し、取るべき施策を説明しました。 今のままではダメです。
なお、私はどちらになってもいいかなと思っています。 ただ、非対戦コンテンツになるのであれば、旧リーグを戻してきていいかと思います。 また、オンラインエキシビジョンを(対戦コンテンツとして)正常化・健全化することも求めたいものです。
(付録)何故、対戦環境の質にこだわるのか
このブログでは、たびたび対戦(競技性)について言及していますが、よくご理解いただけていない可能性は感じています。 つまり「私は対戦環境についてどうでもいいと考えている。対戦環境を良くしたいというあなたの考えは、単なるエゴですよね」といったものです。 エゴのひとつなのは否定しませんが「対戦環境を整えると、そのメディア作品を作っている方・ファンにとってお得ですよ」ということを、ここでは伝えたいです。
ゲーム作品を消費することは、一般的にはあらかじめゲーム内に準備されている相手との対戦やイベントをやり終えることになるかと思います。 基本的には、購入した人だけがそれを消費して終わります。 これだけではファンは増えないかもしれません。
しかし、対戦環境が健全である対戦ゲーム作品の場合は、そのプレイの様子自体がショーエンターテイメントになります*。 スポーツ観戦のようなものです。 これは普遍的なエンターテイメントであり、マッチメイクを変えるだけでコンテンツを再生産可能であり、実際にゲームを購入されていない方も楽しめるエンターテイメントになります。 これはファンを増やすでしょうし、ゲームの購入も促します。 競技性を高めることの狙いはそこにあります。
* 実際には、対戦ゲームでない場合でも、攻略RTAはショーエンターテイメントになります。 これは、攻略にかかる時間を競う競技になっているためです。 RTA in JAPANなど。
一方で、競技性の高さをシナリオまで降ろしてしまうと、あらかじめゲーム内に準備されている相手との対戦やイベントの攻略すらままならなくなります。 メダルレベル差を設けるなどし、サクサク進められるようにすべきでしょう。
(付録)新リーグシステムへの理解を深める
たびたびツイートしていますが、新リーグの報酬体系を正しく理解して臨むことをお勧めします。
クラス別割合
チャンピオンになれるのは全体の3.3%だけですが、最終的に半数ほどはレジェンド以上になることができます。 ツイートでは7個くらいがバランス良いと書きましたが、5,6個くらいを狙うのが適当かもしれません。 ハイクラス狩りで報酬を得るのもいいかもしれません。
いま一度、新リーグでのルビー獲得個数をおさらいしておきましょう
— lux (@medarotter_lux) 2023年2月3日
十分育成が済んでいる方は、7個がストレスが低く報酬とのバランスも良いです
上位3.3%が15個ですが、次点3.7%が8個、12.2%が7個、14.0%が6個、13.4%が5個、46.5%が3個、6.7%が1個です
半数はレジェンドに入れるのです#メダロットS pic.twitter.com/4Yh4ZRZccX
ルビーは「15取れないなら5も8も大差ない」などと考えると、あえて開始数日間は走らず、3日目くらいからハイクラス狩りしたほうがいいかもしれないですね?#メダロットS
— lux (@medarotter_lux) 2023年2月5日
全体的な報酬は、実は旧リーグと同じくらい
ある試算に基づき、新旧リーグ間でのルビー配布総数があまり変わっていないことがわかりました。 もっとも総数は同じであるものの、旧リーグでレジェンド入りで終えていたプレイヤから101位までのプレイヤに対する報酬が減らされているので、とても残念です。 また、総プレイヤ数が減ると配布総数も減るのが気になります。
あと、参加者を4500人*とした場合の順位別ルビー獲得個数の新旧リーグ比較です
— lux (@medarotter_lux) 2023年2月3日
ルビーを配る総数を変えないまま、初心者にもルビーを配ろうという運営の思いが見えます(どちらも総数は約21,000個)
上位側のルビー減は残念ですけどね…
*1100人余のグループが4つあったと仮定#メダロットS pic.twitter.com/uCMmsgZDi9
(付録)そのランダム要素に対戦相手の作為はあるか
新リーグのハイスコアレース競技への意見として、2つのランダム要素がたびたび取り沙汰されていたので、その考えをまとめておきます。 ポイントはプレイヤの作為が入り込むランダム要素かどうかです(過去記事では、人的ランダム要素と機械的ランダム要素と書いていたものですが、作為の有無のほうが伝わりそうです)。
- 倒すまでリーダー機体がわからないランダム性
- ヘッドショットをもらって/与えてしまうランダム性
倒すまでリーダー機体がわからないランダム性: 良い対戦環境において、これはあるべきです。 誰をリーダーとするかは、対戦プレイヤの作為です。 たとえば、ハイスコアレースで注目されているアノ構成を見つけられても、旺盛なアタッカーがリーダーとなっているために、簡単には狩らせてもらえないことがあります。 不満を持つプレイヤもいるでしょうが、単に対戦プレイヤの作為に引っかかっただけなのです。 ただもし、ゴーストデータを作る際にリーダーを無作為に変更しているとしたら、それはあまり賛成できません。
また、乱撃や全体属性のパーツの登場機会を増やす、リーダー機がバレないよう立ち回るといった駆け引きを生むべく、メダロット8,9にあったような、頭部被弾でリーダー判定できる仕組みはあるべきでしょう。
なお良い対戦環境において、ある作為をもったプレイヤが無作為に選定されてくることも必要なことです。 エキシビジョンなどとして、狙って好きなプレイヤと対戦できるようにすることも求めたいですけどね。
ヘッドショットをもらって/与えてしまうランダム性: 攻撃パーツ・MFが頭部を狙うことは無作為です。 良い対戦環境においてさえ、こういった無作為なランダム要素はあるべきなのです。 ただ、それが勝利を決するほど重たいものであってはならないです。メダロットSにおいては「狙われたパーツでそのまま受ける」という非常に悪い仕様のため、無作為に頭部を狙うこと自体が勝利を決するほど重たいものに位置付けられています。
ヘッドショットをもらってしまうかもしれないといった無作為なランダム要素へは、リスク・リターンをコントロール可能にするべきです。 つまり、たまに攻撃パーツ・MFが頭部を狙うことはありえるのですが、防不状態でない限りは他のパーツで受けるようになっているべきです。 そうすることで、リスク忌避したいメダロットは防不症状やペナルティを出さない立ち回りができますし、リスクを取ってでもチャンスに付け入りたいとするのであれば、防不ペナルティを持つ行動を取れるのです。 「狙われたパーツでそのまま受ける」仕様の悪さは本当に根深いです。